こんにちは。HANAです。
皆さんはB・N・F氏という個人投資家を知っていますか?
彼が有名になった大きな出来事があります。それが,
今回,お話するジェイコム株大量誤発注事件なのです。
2005年12月8日に東証マザーズ市場に新規上場した
総合人材サービス会社のジェイコムの株式において、
みずほ証券が誤注文し、株式市場を混乱させた事件を
ご存じですか?それでは早速
「ジェイコム株大量誤発注事件」について説明します。
ことの発端は、みずほ証券の担当者が「61万円1株売り」
とすべき注文を「1円61万株売り」と誤ってコンピュータに入力。
注文内容が異常とする警告を無視して注文を執行したため、
大量の売り注文によりジェイコムの株価は急落しストップ安となりました。
日本の株式市場において歴史的な大失態となったのですが、
要因として3つあげられます。
1つ目はみずほ証券の担当者がありえないミス(誤注文)をしたこと。
2つ目は東京証券取引所のシステムや制度の不備。
3つ目に証券会社や個人投資家などを巻き込んだマネーゲームがありました。
人為的な入力ミスについては、有ってはなりませんが
起こりうる可能性は否めません。
東京証券取引所のシステムや制度の不備について、
担当者は誤注文に気付き注文の取消しを試みました。
うまく行きませんでした。
直接電話連絡して注文の取り消しを依頼しましたが、
東証側はあくまでもみずほ証券側から手続きを取るように要求しました。
大量の売り注文が出た瞬間から様々な憶測が飛びかい、
誤発注と見て大量の買い注文を入れた投資家がいた一方で、
狼狽売りをした投資家もいて混乱が生じました。
また誤発注の当事者の主体者ついても様々な憶測情報が流れ、
主幹事である日興コーディアル証券の株価が急落。
誤発注した証券会社が自己売買部門で利益確定の売りで
損失の穴埋めを図るのでは? との憶測から全面安の展開となり、
日経平均は1.95%下げることとなりました。
またジェイコム株の取引は翌12月9日以降一時停止(12月14日に再開)されます。
マネーゲームと言われた理由としましては、発注ミス(誤発注)に
乗じて多大な利益を得た数名の個人投資家が、
マスコミでも大きく取り上げられたからです。
最も大きな利益(20億3,500万円)を獲得したのが
B・N・F氏で、一時“ジェイコム男”と称されました。
ちなみに、みずほ証券が被った損失は407億円とされています。
大量誤発注事件の直接の原因はみずほ証券の担当者による
人為的ミスでしたが、誤発注を取り消せなかったのは東証の
対応ミス・システムの不具合であることが判明。
膨らんだ損失404億円の損害賠償請求を東京地方裁判所に提訴しました。
結果として裁判は、2006年10月27日の東京地方裁判所への提訴から
2015年9月3日の最高裁判所の判決(上告の退け)まで、実に9年の
月日を擁して結審。ずほ証券と東京証券取引所の痛み分けで終わりました。
たった1つの単純なミスが何百億もの損失に繋がった事件でしたが、
これを期に金融機関はシステムの脆弱性を再認識し、チェック体制を
強化する必要があるのではないでしょうか?